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/topic

/introduction

 

地層に保存された生物の痕跡「化石」から,古生物の体づくり,適応,ふるまい,生活様式の解明に取り組んでいます。特に,古生代(約5.4~2.5億年前の期間)と呼ばれる時代に生きていた奇妙な生物たちを題材とし,生物大進化の原動力や大量絶滅の謎を探ることを目標としています。

/brahiopods

椎野研究室で扱う中心的な化石生物は,腕足動物(Brachiopoda)と呼ばれる二枚の殻を持つ生物です。この生物はアサリやホタテなどの二枚貝にそっくりですが,腕足動物門と呼ばれる独自のグループを築いた全く異なる動物です。

殻の内側を占有している触手冠と呼ばれる毛むくじゃらな構造は,海水中から細かい有機物をエサとしてつかまえる濾過器官となっています。この触手冠は,腕骨と呼ばれる骨状の構造で支えられていることが多く,化石となった腕足動物にも保存されます。

腕骨(触手冠)の形は,種によって異なります。同じ腕足動物と言っても,濾過摂食の方法には種ごとの個性があったのでしょう。

 

椎野研究室は,そういった形の違いに潜む生態的な特性を解き明かし,かつて失われ,新たに生み出された多様性を説明しようと研究に取り組んでいます。

 

/trilobites

三葉虫(Trilobita)は,古生代と呼ばれる時代に繁栄し,絶滅した節足動物です。ダンゴムシやオオグソクムシにそっくりな姿形からも想像できるように,運動性能を意識したような体づくりとなっています。

陸上にいる私たちの運動性能は,重力に影響を受けた姿勢や動き方に支配されるでしょう。一方,海で生活していた三葉虫は,重力の影響をあまり受けない代わりに,空気よりもネバネバした水中でどのように動くか,が鍵となってきます。

水と三葉虫の関わりの中でも,遊泳生態の復元や,摂食戦略の検討を中心に,他大学の研究者と共同研究をしています。

/field works

化石といえど元々は生物だったので,どこかの環境に生きていたはずです。古生物の生息環境は,当時の地層をしっかり調査しないとわかりようがありません。

 

そこで椎野研究室では,地質学に基づく野外調査を実施し,地層の形成史を解読することで古生物の住んでいた環境復元も行っています。特に,地球生命史上,最大の絶滅イベントがあったペルム紀の地層(約2億5千万年前)と,最初の絶滅イベントがあったオルドビス紀の地層(約4億3千万年前)を題材に,調査研究を行っています。

/goal of our research lab

これといってわかりやすいゴールはありませんが,あえて挙げるなら,何かを題材に「なぜその生物の形や生態がそうなっているのか」を解明し,生物の進化について理解を深めてゆくことが目的です。

計算ができる,解析ができる,観察できる,などの手続き的な作業はもちろん重要ですが,椎野研究室でのテーマでは,さらにそれらの結果について因果的な説明を試みたり,概念的に理解するような「わかる」ことを目指してほしいと思っています。

研究相手となる生物はこの世にいないものばかりですから,残念なことに一筋縄ではいきません。

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